2015年5月14日木曜日

創り笑顔には何もない

笑顔しましょう、笑顔しましょうと大きな声で呼びかけている人を何人も知っていますが、正直なところ感心できないでいます。なぜかというと、そう呼びかけている人の笑顔が美しくないからです。誰が見ても作り笑顔で、そこには何の真実さもありません。それをよしとしている本人を、むしろ気の毒に思うほどです。その人たちは「笑うことが健康の元だ」とよく言います。それを否定する気はさらさらありませんが、「さあ、笑いましょう」と言われて、みんなで笑いあっても、あんまり意味がないのじゃありませんか。なんだか上等な人間のすることではないような気もします。(略)
大事なのは「笑い」そのものではなくて、「いかに笑える内容を持つか」ということで、もっと人生は真面目なものだと言うことです。(略)
本物の笑いは、「おかしいから笑う」のではなく、「うれしいから笑う」のです


金子みすゞの詩と仏教/酒井大岳/JULA出版局

0 件のコメント:

コメントを投稿