2015年7月30日木曜日

「見方道」の境地

小林正観さんの遺作、死の直前、東日本大震災の年の夏の著作「豊かな心で豊かな暮らし」は、より端的に哲学が語られていました。しかも到達したのはやはり仏法の境地であるようで、ようやく四摂法(ししょうぼう)が登場します。
いくつか抜粋します。

『向上心という名の努力をすること、頑張るという名の自己向上を図ること。そして自分の今置かれている状況に満足しないということは、不平、不足と紙一重の差』

『ものの見方というのは、一生涯かけて会得すべきものと私は考えるのです。一つ一つの事件や出来事を、すべて見方によって変えていく。その訓練だと思います。』

本書では「見方道」という新たな概念を提示されているのが印象に残りました。

『世の中の問題点を列挙するよりも、宇宙の楽しい法則や幸せの法則を見出した方が、自分自身にとって楽であり、楽しいものであると思ったからです。』

『楽しい日々を送りたいのであれば、自分から発するものが常に楽しいものであるほうがいいのです。楽しい話を発振すれば発振するほど、自分のところに返ってきます』