2005年1月23日日曜日

持戒波羅蜜(尸羅波羅蜜)

持戒波羅蜜(尸羅波羅蜜)(2005/01/23)

仏から与えられた戒めによって、悪業の心を対冶して心の迷いを去り、身心を清浄にすることで戒を守る。これらの教えを守り、身を慎むことを律という。総じて「戒律」という。
戒の具体的なものとして五戒十戒がある

「善悪は宗教によってしか教えられない原理です。逆に言えば善悪の原理を教えるのが宗教なのですね。」~ひろさちや「自分が変わる」より~
ここにあるように、時代やその場所によって変わることのない不動の善悪の絶対原則を五戒及び十戒で明確にしているわけです。


十戒=十重禁戒(初めの五つが「在家の五戒」です)(2005/02/01)
1. 不殺生戒(ふせっしょうかい)     殺さない
2. 
不偸盗戒(ふちゅうとうかい)     盗まない   
3. 
不邪淫戒(ふじゃいんかい)      邪まな淫欲を犯さない
4. 
不妄語戒(ふもうごかい)       嘘、偽りをつかない
5. 
不飲酒戒(ふおんじゅかい)      酒を飲まない、売買しない
6. 
不説過罪戒(ふせつかざいかい)    他人の過ちや罪を言いふらしてはならない
7. 
不自讃毀他戒(ふじさんきたかい)   自分を誉めない、他人を謗らない
8. 
不慳貪戒(ふけんどんかい)      財や法を施すのを惜しまない
9. 
不瞋恚戒(ふしんにかい)       怒って相手が謝っても許さない事のない様に
10. 
不謗三宝戒(ふぼうさんぼうかい)   三宝(佛、法、僧)を謗る事を許さない 

2005年1月21日金曜日

布施波羅蜜(檀那波羅蜜)

布施波羅蜜(檀那波羅蜜)(2005/01/21)

さまざまな施(ほどこ)しをさせて頂く修行のこと。貪欲の心を対冶して人に財を与え、法(真理)を教え、安心を与えることで完全な恵みを施すこと。
思いやりのある温かい心を持って他人のため社会のために尽くし、決してその報いを求めない行為と考え、実践したいものです。

布施行には、財施(ざいせ)、法施(ほうせ)、無畏施(むいせ)がある。

財施金銭や物品を他人に施す物質的な布施
法施仏様の理想とする教えを説き、迷い悩む人を救い、悟りの世界へと導く出家の本来の役目
       仏の教えを信じる在家も、縁ある人に仏の教えを伝えることが重要
無畏施:人の悩みや恐れを取り除き安心を与える

六波羅蜜

六波羅蜜(ろくはらみつ)


生きて成仏するために修行しなければならない修行のこと。六波羅蜜の法門はすべて自他を救う。八正道の実践方法である。(2005/01/21)

2005年1月12日水曜日

本来無一物

本来無一物本来無一物(ほんらいむいちもつ)。人間は裸で生れ裸で死んでいく。もともと何もないものである、と知る。
それが心を曇らせない方法です。心が落ち着かない時は、何かを恐れたり、恨んでいたり、悲しんでいたりするとき。自分の心が作り出した何物かに捕われていることに気づくこと。(2005/01/12)

2005年1月8日土曜日

正定(八正道の八)

正定(八正道の八)


正しい禅定(冥想)。
心を静め、精神を統一すること。心の状態が真理に照らし正しい状態に定まる事。腹決めされた決心が外的要因や変化に迷わされないということ。 正念を身体的なものとして生活自身において克服するものが「正定」である。
出家者の修行法と絡むので、ちょっと理解が困難なのがこの正定です。明鏡止水の心境を維持して、素直にありのままに物事を観る心の体制を整えておくこととでもいいましょうか。(2005/01/08)

「冥想の状態を具現していること」」

正念(八正道の七)

正念(八正道の七)


正しい集中力(想念)。
正しい意識、注意。仏と同じような正しい(真理に合った)心を持ち、小我(自己本位)による分別をせず、ものごとの真実の実相を見極め、心を恒に真理の方向へ向けること。
正念を四分類したものが、「四念処法(しねんじょほう)」。
①身(肉体):身は不浄である ②受(感受性):受は苦である
③心(認識):心は無常である ④法(仏法):法は無我である
この四つを観察して、常楽我浄の四顛倒(①無常なものを常であると、②苦を楽であると、③無我であるものを我であると、④不浄なものを浄であるとして、とらわれていること)を打ち破ること。
(2005/01/08)

「身体について、諸々の感受作用について、心について、諸々の考えられる対象について、それらを観じ、熱心であって、気をつけ気を遣い、世間のむさぼり、憂いを制すること」

精進(八正道の六)

精進(八正道の六)


正しい努力。
自分に与えられた使命や目指す目的を自覚し、それに対して正しく励み、怠りや脇道にそれたりしない事。
次の「四正勤法(ししょうごんほう)」を指す。
①既に起きたいけないことは、これからは絶対にしない「断断(だんだん)」
②新たにいけないことはこれからもしない「律儀断(りつぎだん)」
③今までしなかったいいことをこれからは積極的にやっていこうとする「随護断(ずいごだん)」
④自分の持っているいいところはこれからもどんどん伸ばしていこうとする「修断(しゅだん)」
一生懸命やっていれば救われるという人が多々いるが、賢明に精進することが重要であり、最初にボタンのかけ間違えを起こせば、後はすべてずれていき、事態はより悪くなることも注意せねばなりません。世に言う「努力」は我執に基づくものが多く、それは正精進とは全く異なるものなのです。 (2005/01/08)

「いまだ起こらなぬ邪悪な事柄が起きないように、またすでに起きた邪悪な事柄を断つために、意欲を生じ、努力すること」

2005年1月5日水曜日

正命(八正道の五)

正命(八正道の五)


正しい生活方法。
衣食住その他の生活財を正しく求める事。人の迷惑になる仕事や、世の中の為にならない職業によって生計を立ててはいけないこと。生きるために何かしらは働らかねばならないが、その場合、自分の職業や仕事が何か人間の命に貢献するものでなくてはいけない。毒を作ったり、武器を作ったりする職業は仏教では禁止されている。
長い眼で見ながら仕事をする必要性。人生仕事が全てではありません。人生の中の仕事として考えたとき、何をすべきか、すべきでないか、考えながら日々を過ごすことなのでしょう。(2005/01/05)

「優れた弟子(信徒)がよこしまな生活方法を捨てて、正しい生活、他人を傷つけないで生きる」

2005年1月4日火曜日

正業(八正道の四)

正業(八正道の四)


正しい戒律(行為)。
正思惟などにもとづいて正しく行為をなすこと。本能に任せるままの生活ではなく、仏の戒めにかなった正しい行いをする。仏は「身の三悪」を戒めた。
①殺生:意味なく、或は楽しみの為に生き物の生命を絶つ事)
②偸盗(ちゅうとう):盗み
③邪淫:道ならぬ色情関係
(2005/01/04)

「殺生を断ち、盗みを断ち、欲情に関するよこしまな行為を断つこと」

2005年1月3日月曜日

正語(八正道の三)

正語(八正道の三)


正しい発言。
常に真理に合った言葉使いをする。
社会生活上「口の四悪」を行わない。
①妄語(嘘) ②両舌(都合や立場で使う二枚舌) ③悪口(破壊的な悪口) ④綺語(口から出任せのいいかげんな言葉)

横暴な語り方は相手の心を傷つけ、その結果は自分にはねかえってくるのです。語調の強い言葉は、相手の心に不調和を与えるだけです。売り言葉に買い言葉で、町中や電車の中で口論している人がよくあります。こうしたことを年中やっていますと、ろくなことが起こらなくなります。心がいつも不安定になっているからです。相手が怒鳴っても、決して反発をしてはいけません。反発する前に自分を第三者の立場で見、考えてから結論を出しても遅くはないからです。怒った心は怒った人の心に帰って行くものであり、これに心を動かしてはなりません。(2005/01/03)

「虚言を断ち、毀る言葉を断ち、荒々しい言葉を断ち、戯れ言を断つこと」