2015年5月14日木曜日

日本が何故不寛容な社会か

ひろさちやさんが上手くまとめていた。

世界の数多い宗教に共通している特色は何かと言えば、「人間というものは、弱くて、愚かで、不完全な生き物である」と考えているところにある。そう考えるのが宗教の宗教たるゆえんである。だが、日本人は総じて無宗教である。裏を返せば、人間が無力で愚かで不完全な存在と思っていないのである。

この指摘は至極的を得ていると思う。

無宗教ということの意味は、人間は賢く完全であるべきだという信念を持った人間と規定できそうだ。
自分の無力さに気づかず、あらゆる環境や脈々たる縁が長大な歴史を刻んできた結果、自分が存在するというあまりに明確な事実さえ自覚できない、心臓の動き一つ操縦できないのが人間であり、自分の意志で生まれた人間など、金輪際存在し得ないということさえ自覚できない、言わば人類史上最も根本がわからない究極の愚か者の規定することも可能だろう。
口が裂けても、自分は無宗教とは言いたくないものである。

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