2015年5月14日木曜日

【観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第25)】

般若心経に次いで世でよく読誦される「妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈」、所謂、観音経の偈の部分(後半)であります。これも、宗派を越えて、多くの宗門において読誦されているスタンダードな経文であります。

般若心経が哲学的・知的・観念的・抽象的であるのに対して、観音経普門品偈は情緒的・・現世利益的発想・具体的という、全く雰囲気の異なる様相を呈しています。
般若心経とは全く内容も説くアプローチの方法も異なるため、般若心経を学ぶときとはまた違った気持ちでこのお経に接することができました。

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観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈)

世尊妙相具 我今重問彼 佛子何因縁 名為観世音
具足妙曹尊 偈答無盡意 汝聴観音行 善応諸方所
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億佛 発大清浄願
我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦
假使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池
或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没
或在須弥峯 為人所推堕 念彼観音力 如日虚空住
或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛
或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心
或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊
或囚禁枷鎖 手足被柱械 念彼観音力 釈然得解脱   
呪詛諸毒薬 所欲害身者 念彼観音力 還著於本人
或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念彼観音力 時悉不敢害
若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念彼観音力 疾走無邊方
玩蛇及蝮蠍 気毒煙火燃 念彼観音力 尋聲自回去
雲雷鼓掣電 降雹濡大雨 念彼観音力 応時得消散   
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦   
具足神通力 廣修智方便 十方諸国土 無刹不現身   
種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅   
真観清浄観 廣大智慧観 悲観及慈観 浄願常譫仰
無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火 普明照世間   
悲體戒雷震 慈意妙大雲 濡甘露法雨 滅除煩悩焔   
諍訟経官処 怖畏軍陣中 念彼観音力 衆怨悉退散   
妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音 是故須常念   
念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄 能為作依怙
具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼

爾時持地菩薩 即従座起 前白佛言 世尊 若有衆生  
聞是観世音菩薩品 自在之業 普門示現 神通力者
当知是人 功徳不少 佛説是普門品時 衆中八萬四千衆生
皆発無等等 阿耨多羅三藐三菩提心


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長さが594文字と、漢文読み下し経文の定番でも取り立ててとても長いため、自分で構成を何部にも作り出して、意味を捉えながらの暗記となりました。
特に「念彼観音力」というフレーズが15程あるため、意味を追っかけているときは良かったのですが、実際一言一句の意味を考えずに暗誦できる段階になると、その繰り返しがかえって邪魔をして、「念彼観音力」に来るたびにつかえてしまう、ということが生じてしまうのが、この経文の特徴です。
曹洞宗における読誦を耳にして覚えました。


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