2015年5月14日木曜日

日めくり法話11 現世安穏

「現世安穏とは、世の中の苦がなくなるということではない。他からは苦しいように見えても、正しい信仰のある人の心の境地は安穏であり、後の生活もまたやすらかであるということです。(略)
苦は相対的であるとともに、なかなか人間の浅い智慧ではのぞき知ることができない。いいかえれば、人知を越えた知、仏智というか宗教的叡智を得なくては、現世安穏の真の意味も把握できないし、他人の苦しみも分からぬ。分からなければ、その苦が救いとなりうる相対性を教えた宗教、仏教に帰依し、苦楽一如、外と内の一体性、仏心不二に目覚めねばならない。」



【久保田正文(日蓮宗・東京仙寿院)】
より

「仏音」最後の名僧10人が語る生きる喜び/高瀬広居

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