2015年5月14日木曜日

日めくり法話2  下座心を忘れない

「法華経の第七巻、第二十品にな、「常不軽菩薩品」というお経がある。回峰行の創始者相応和尚も、この菩薩に深く帰依していた。(略)
仏になるためには、この「下座」を欠いてはならないということです。下座とはあらゆる人間を尊重する、人間礼拝や。(略)
この自覚は人間自身を謙虚にする。人間を礼拝する心を植え付ける。菩薩はそれを実行した。(略)
下座のこころとは、なにものにも代え難い積極的人生を生む。傲り高ぶった人間にはそれがない。宗教心とは下座心や。宗教とは何ぞやというて議論するインテリには、この心がいつまでたってもわからん。なんぼ知識をひけらかしたって、この心がなくては人間は幸せになれん。私は「もし自分の子どもや下のものに手を合わせてもらいたかったら、黙ってあなた自身が手を合わせなさい」という。手を合わせる心が仏心です。」


【葉上照澄(天台宗・比叡山延暦寺)】より
「仏音」最後の名僧10人が語る生きる喜び/高瀬広居


0 件のコメント:

コメントを投稿