「初ものはまず仏さまに」このことがどんな意味を持つのか、次の世代に聢り伝えられる大人がだんだん減ってきているのはさみしいことです。(略)
その理由を親に問うと、親はきちんと説明することができたのです。太陽のこと、空気のこと、水のこと、生れること、死ぬこと、生きること、今日という日のあること、健康でいられること、働けること、食べられること、それらに対してありがたいと感謝できる心のあること、これらはみなご先祖様のおかげであり、ほとけさまのおかげなのだと、子供ごころにも納得できるような解答の用意がありました。(略)つまり、「生きている」のではなく、「生かされている」ということを身で感じていたのです。そこから「仏さまからいただく」という謙虚な心ははぐくまれていったのです。
金子みすゞの詩と仏教/酒井大岳/大法輪閣
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