2015年5月14日木曜日

息を吸って私はしずか

息を吸って私はしずか
息を吐いて私は微笑む
このいまに生きることこそが
私には素晴らしい瞬間(ひととき)



「息を吸って私はしずか」
この行をくちずさむと、暑い夏の日に冷たく冷えたレモネードを飲んだときのように、涼しさが身体に染みこんできます。私は息を吸いながらこの一行をくちずさんでいると、本当に息が体と心を静めていくのを感じることができます。

「息を吐いて私は微笑む」
微笑みは何百という顔面の筋肉を緩めます。顔面一杯の微笑みは、あなたが貴方自身の主人であることの証拠なのです。

「このいまに生きることこそが」
私はこうしてここに座っているとき、ほかのことは何も考えません。私はここに座って、私がこうしてここにいることに気づいているだけです。

「私には素晴らしい瞬間(ひととき)」
しっかりと落ちついて座り、自分の息と微笑み、そして自分の真の姿に立ち戻ることは喜びです。いま、この瞬間こそが、私たちのいのちの実在の瞬間です。私たちは、いま、ここ、この瞬間でしか生きられません。いま、このときにしずかなここころと喜びを味わうのでなければ、いつそのようなときが来るのでしょうか。

自分の息に気づいていつも離れずにいられたら、「身も心もしずかに微笑む、いま、このままが、素晴らしい瞬間」と心から言えるのです。

ティク・ナット・ハン「微笑みを生きる 気づきの瞑想と実践」/春秋社


0 件のコメント:

コメントを投稿