2015年5月14日木曜日

大人がどれだけ子どもの素晴らしさに同化できるか

幼い子が夢を見て笑い声をたてると、「いま、この子のたましいはどこをさまよっているんだろうねえ」と若い母親は我が子を見つめるのです。そのように、どの子も、どの子も、みんなすばらしいものを持っているのだけれど、どういうわけか、おかしな大人に生長してしまいます。人間は、子どものうちに美しいものをいやというほど学ばせなければだめでしょう。ゼロ歳児から英才教育というのではなくて、育てる父親母親が大きないちょうの木を筆として、東の空いっぱいに「コドモノクニ」と描くような生き方をしなければだめ、ということです。絵本や童話を、若い父親母親は子どもと競争して読むべきでしょうね。

金子みすゞの詩を生きる/酒井大岳/JULA出版局

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