2006年7月2日日曜日

【大悲心陀羅尼(大悲呪)】

臨済・曹洞の禅宗においてよく読誦されるいわゆる「陀羅尼」です。
陀羅尼は梵語(サンスクリット語)を漢字で音写したものであるために、漢字の経文から意味をとることはできません。そして、その漢字を日本語発音で読んでいるわけですから、「呪」とあるように、ほとんど呪文というか暗号のようなものであります。
「修証義」のように意味を噛みしめながら読むことのできるお経だけではなく、このような呪文もまた仏道の幅の広さ、奥の深さかもしれません。
この大悲呪は『千手千眼観自在菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼経』という経典の中の陀羅尼部分だけをとり出したものです。
これまでも、「十三仏真言」「光明真言」という真言宗における定番の陀羅尼を覚えたり、般若心経でも有名な「ぎゃーていぎゃーてい」のくだりなどで陀羅尼に接してきたわけですが、今回のこのように本格的な長さをもつ陀羅尼は初挑戦です。

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なむからたんのーとらやーやー。
なむおりやーぼりょきーちーしふらーやー。
ふじさとぼーやーもこさとぼーやー。
もーこーきゃーるにきゃーやー。えん。
さーはらはーえいしゅーたんのーとんしゃー。
なむしきりーといもーおりやー。
ぼりょきーちーしふらーりんとーぼー。
なむのーらー。きんじーきーりー。
もーこーほーどー。しゃーみーさーぼー。
おーとーじょーしゅーべん。おーしゅーいん。
さーぼーさーとーのーもーぼーぎゃー。
もーはーてーちょー。とーじーとー。えん。
おーぼーりょーきーるー。ぎゃーちーきゃーらーちー。
いーきりもーこー。ふじさーとー。
さーぼーさーぼー。もーらーもーらー。
もーきーもーきー。
りーとーいんくーりょーくーりょー。
けーもーとーりょーとーりょー。
ほーじゃーやーちーもーこーほーじゃーやーちー。
とーらーとーらー。ちりにーしふらーやー。
しゃーろーしゃーろー。もーもーはーも-らー。
ほーちーりー。ゆーきーゆーきーしーのーしーのー。
おらさーふらしゃーりー。はーざーはーざ。
ふらしゃーやー。くーりょーくーりょー。
もーらーくーりょーくーりょー。
きーりーしゃーろーしゃーろー。
しーりーしーりー。すーりょーすーりょー。
ふじやーふじやー。ふどやーふどやー。
みーちりやー。のらきんじー。ちりしゅにのー。
ほやものそもこー。しどやーそもこー。
もこしどやーそもこー。
しどゆーきーしふらーやーそもこー。
のらきんじーそもこー。
もーらーのーらーそもこー。
しらすーおもぎゃーやーそもこー。
そぼもこしどやーそもこー。
しゃきらーおしどーやーそもこー。
ほどもぎゃしどやーそもこー。
のらきんじーはーぎゃらやーそもこー。
もーほりしんぎゃらやーそもこー。
なむからたんのーとらやーやー。
なむおりやーぼりょきーちーしふらーやーそもこー。
してどーもどらー。ほどやー。そーもーこー。


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臨済宗といえば大悲心陀羅尼、というくらいメジャーな陀羅尼ですが、曹洞宗大本山永平寺の読経を手本にして覚えました。永平寺の木魚の音の重厚さ、段々加速していくかなりのスピードをもった読経という特徴からも、リズミカルであるが故に、他の経文を繰り返し聞くことに比べて、随分と楽しんでできてしまった印象があります。
また、修証義をはじめとする日本語の意味のしっかりした経文は、いつまでも意味を追いながら読誦するが故に、未だにぶっ通しで諳じられるというには、立ち止まりながらという状態であるのに対して、般若心経もそうでしたが、意味を追わずに完全に音で覚えてしまうという種類のこれは最たるものであります。
実は、このタイプの読経のほうが読んでいてかなり気持ちがいいのです(心がこもらなくなりがちということの裏返しなのですが)。

(2006/05/27)

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