中沢新一・河合隼雄 ~共感した名文・名文句~
団塊の世代代表でチベット仏教体得者として特異な位置づけである中沢新一教師と、ずっと上の世代でユングの権威である河合隼雄生徒による肩の凝らない、仏教に関する対話シリーズがあります。
- 後段が重要「仏教とは、堅苦しく学ぶものではない、と思う。途方もない誠実さを要求するものではあるが。」
- 幸福と「安心(あんじん)」は全く別
「最近ではお坊さんも平気で『幸福』という言葉を使っています。よくお坊さんが『人間はどうしたら幸福になれるでしょう』という質問をされているのを見かけます。そこでお坊さんは少し当惑してくれればいいのだけれど、しないんですね。さも当然のごとく『我執を捨てれば、あなたは幸福になれる』と答えるのですが、我執を捨てれば安心は得られるかも知れないけれども、ハッピーになったりはしないだろうに」
- 金イコール幸福と思っているのが、未だにうじゃうじゃ
「大きい遺産をもらってしっかり安心して生きている人は、もらわなくとも安心している人です。そうでなかったら、絶対何かおかしくなる。
ところが、みんな漠然と幸福を考えていてよくわからないから、何か金がぽーんと入ってきたら幸福になるというイメージを持っています。現代人は金イコール幸福と考えすぎです。」
- 人間が最初に思う疑問と最後に到達する疑問を包有するのが仏教
「なぜ仏教が大事かというと、人間の思考の一番の始まりの状態と一番発達した状態というのを、一つに結合できる長所があるからです。この点は、キリスト教などはなかなか頑に出来ていますから、そういう人類の自然な叡智に、すんなりと辿り着くのが難しい。(略)
イスラム教にもそういう弱点がありますね。仏教の現代性といったら、こういうことなんじゃないでしょうか。」
- 仏教は一言でいうとこうである「その思想は、常識を粉砕し、権力をものともしない批判力を内蔵している。」
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