目の前のことより、あれこれと頭の中でこねくり回すものが「妄想」。
思えば、今日あった出来事を頭で反芻したり、後悔したり、明日どうするかで頭がいっぱいになったりして、家族からの語りかけに上の空になっていることが頻繁にあります。
「莫妄想(まくもうぞう)」、「妄想するなかれ」です。
目の前をおろそかにするしわ寄せの積み重なりは、最後は自分にツケが回ってきますので。
もう一つ。
「人の一生とは、一刹那だけです」とは釈尊の言葉。
「刹那」という時間の最小単位をさす仏教語は、人生にあるのは刹那だけであり、人生はその刹那の積み重ねで構成される、という考え方の根本です。
刹那主義というと、自分の快楽を優先して、今さえ良ければ後は知らないという無責任な生き方として、一般には決して良い使われ方をしません。
しかし本来的には、今、その瞬間を大切にして歩んでいくことが「刹那主義」ということになります。
考えてみれば、目の前のこと、目の前の人以外、「私」が対峙出来るものはありません。色々先のことを想像したり、勝手に予測したりすることはできても、実際には目の前、刹那としか対峙しえません。 刹那をどうするかだけが、三次元の世界における私の全てです。
そうなると、一瞬一瞬の刹那、目の前のことをどれだけ大事にできるかどうかが、突き詰めれば人生の全てとも言えるように思います。
「莫妄想」、「刹那主義」でいく。
そのためにも、口にする言葉には心を込めて安らぎに満ちたものにすることを心がけ、笑顔で接することが大事になるのだろうなあ、と思ったりした長い病床でした。
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